ライブコマース
2023年01月12日
ライブコマースが中国で人気になった理由とは?成功した事例や日本の状況も解説
ライブコマース 中国ライブコマースは、ライブ配信で商品を紹介し、視聴者とリアルタイムかつインタラクティブにコミュニケーションしながら購入へ繋げる手法です。中国ではライブコマースを活用した販売手法が活発で、多くの方が日常的に利用しており、市場も急速に拡大しています。
一方、ライブコマースは日本ではまだあまり普及している状況にありません。そのため、ライブコマースに興味はあるけれども、詳しくはわからないといった事業者の方も多いのではないでしょうか。
先行市場である中国の状況を知れば、これからライブコマースを始める時の参考になります。この記事では、中国でのライブコマースの状況や人気となった理由、実際の事例や成功の秘訣を紹介します。
目次
中国でライブコマースが拡大中
ライブコマースは、ライブ配信を行い、商品を販売できるEコマース(電子商取引)の新しい販売方法です。視聴者は配信で商品の情報を得られ、気になった商品をECサイトで購入できます。
中国では、新型コロナウイルス感染症の影響による巣ごもり需要を契機に、大幅にライブコマース市場が拡大しています。ファッション商品や化粧品、家具やインテリアなど、さまざまな商品がライブコマースの対象です。
中国でライブコマースが人気になった理由
中国でライブコマースが人気となった背景にはいくつかの理由があります。主な理由は以下のとおりです。
消費者は不安なく商品を購入できる
商品を安く購入できる
使用感などがよくわかる
人気のインフルエンサーの登場
それぞれの理由を詳しくみていきましょう。
1.消費者は不安なく商品を購入できる
ライブコマースでは、視聴者は商品の疑問点や気になる点をコメントなどで配信者に質問できます。例えば、商品の裏側がどうなっているか気になったら、配信者に「裏側を見せて」とコメントすれば、配信者がコメントをひろい、説明を受けることが可能です。
これらのやりとりは、ほかの視聴者も見ることができ、商品購入の参考になります。視聴者は商品に対する不安をリアルタイムで解消できるので、より安心して商品を購入できます。
また、中国では人気の配信者が増えていて、その配信者に対する信頼感も生まれてきています。配信者に対する高い信頼も、商品に対する不安軽減のひとつの要因です。
2.商品を安く購入できる
中国のライブコマースでは、通常の価格よりも低価格で商品を提供するケースがあります。
例えば、人気の配信者は一度に大量の商品を販売することができるので、メーカーから多くの商品を安価で仕入れ、視聴者に提供することが可能となっています。
3.使用感などがよくわかる
ライブコマースでは、配信者が実際の商品を使って使用感や使い方のレクチャーなどを行い、視聴者にわかりやすく商品の詳細を伝えることが可能です。
視聴者は、店舗での対面販売に近い感覚で商品の詳細を知れるので、商品の特徴をよりくわしく把握できます。
4.人気のインフルエンサーの登場
中国のライブコマースの特徴として、KOL(Key Opinion Leader、キーオピニオンリーダー)の存在が挙げられます。KOLはもともと医療業界で用いられた言葉ですが、近年では中国の消費者に影響力を持つインフルエンサーとして使われることが多くなっています。
中国のKOLはライブコマースやブログ、SNSなどで、多数のファンやフォロワーを有しています。そのため、度のライブコマースで多くの視聴者の集客が可能です。ライブ配信ならではのリアルタイムなコミュニケーションをとりながら、多額の売上をおさめています。
中国でのライブコマースの事例
中国におけるライブコマースの実情を知るために、人気KOLの売上事例や中国の地方政府の販売事例を紹介します。
1.中国ライブコマース界の人気KOLの売上事例
中国のライブコマース市場では、薇娅(Viya)氏と李佳琦(Austin)氏の2人のKOLが有名です。Viya氏とAustin氏は、ライブコマースを通して大きな売上実績をあげています。
具体的には、2020年の1年間で、Viya氏は約310億中国元(約4,650億円(※1))、Austin氏は約218億中国元(約3,270億円(※1))の売上を記録しました。このように、中国のライブコマースでは、人気KOLの存在が商品の売れ行きを大きく左右しています。
(※1)1元15円換算(2020年)
2.中国の地方政府での販売事例
人気KOLが多額の売上をあげる一方、中国では、地方政府レベルでのライブコマースの活用が進んでいます。たとえば、雲南省河口ヤオ族の自治権長は、30分間のライブコマースで80トンものパパイヤを販売しました。
ライブコマースの盛り上がりを受け、地方政府による支援措置も行われています。
2020年3月の広東省広州市における「ライブコマースの発展行動方案」の策定、2020年6月北京市商務局における「北京市新消費による品質的な新生活促進行動方案」の策定など、行政によるさまざまなバックアップが実施されています。
中国のライブコマースから学ぶ成功の秘訣
ライブコマースはスマホなどの機器で比較的簡単に始められますが、目標とする売上を達成するのは容易ではありません。ここでは、ライブコマース市場で先行している中国を参考に、成功に繋がるポイントを紹介します。
1.視聴者の好みに合った商品を選ぶ
ライブコマースで紹介する商品は、視聴者のニーズに合わせた選択が重要です。
例えば中国では、ライブコマースの利用者は比較的若い層(21~30歳)の女性が多く、レディースアパレルや食品、バッグ類、化粧品・スキンケア用品などが売上上位にランクインしています。
比較的若い層の女性が利用者に多い理由には、「ライブ配信視聴に慣れている」「対面での販売を好んでいる」などの要因があるでしょう。
日本でライブコマースを行う場合も、ライブ配信をよく利用する層を事前にマーケティングし、その層とマッチする自社商品・サービスの選定が重要となります。
2.集客力、ブランド力のある配信者を選ぶ
先述のように、中国のライブコマースにおける人気KOLの存在は大きなものがあります。日本でライブコマースを実施する時にも、配信者を誰にするかは重要な視点です。
例えば、中国の成功にならい、タレントやインフルエンサーを配信者に起用する方法もあります。多くのファンやフォロワーをもつタレントやインフルエンサーであれば、一定の集客効果を見込めるからです。
また、自社の社員を配信者に起用し、ライブ配信を重ねることでスキルやブランド力を高める方法もあります。自社商品・サービスのターゲットとなる視聴者を想定し、それにマッチする配信者を検討するようにしましょう。
3.商品・サービスに合ったプラットフォームを選ぶ
中国では、ECプラットフォームであるアリババグループの淘宝直播(タオバオライブ)や動画プラットフォームの抖音(TikTok)などのプラットフォームが、ライブコマースを実施するプラットフォームによく採用されています。
プラットフォームにより、ライブ配信の使いやすさやECサイトへの導入のしやすさは異なるので、商品・サービスに合ったプラットフォーム選びはとても重要です。
例えばRakuten DRAGON は、商品購入に欠かせないECサイトとして楽天市場をグループにもち、楽天市場ショッピングチャンネルでのライブコマースなどの実績があります。
Rakuten DRAGON はライブ配信で顧客にアピールしつつ、ECサイトで商品の売上向上に役立つプラットフォームです。
日本でのライブコマースの状況は?
日本でのライブコマースは、認知・利用ともにまだ始まったばかりで、黎明期です。そのため、他企業に先駆けてライブコマース市場へ参入することは、今後の事業拡大のきっかけとなり得るチャンスといえ、おすすめです。
スマホ、タブレットを中心とした消費者動向や市場調査を実施しているMMD研究所が2021年5月に実施した調査によると、ライブコマースを利用した経験がある方は全体の12.7%に留まっています(※2)。
利用経験がある方の割合が少ないとはいえ、10代~30代のうち3割近くの方が「今後ライブコマースを利用したい」もしくは「やや利用したい」と回答しており、関心の高さが伺えます。
SNSの利用やインターネットショッピングの機会が多い世代だからこそ、今後さらにインフルエンサーによるライブコマースが普及する可能性があるのではないでしょうか。
(※2)MMD研究所「ライブコマースの利用経験は12.7%、認知は43.2%
ライブコマース視聴後、購入者の約5割が「ECサイト」、約4割は「実店舗」で商品を購入」
関連記事:「ライブコマースをするメリットとは?販売の際の注意点や成功ポイントも解説」
ライブコマースを始めるならRakuten DRAGON
これからライブコマースを始めたいと考えているなら、Rakuten DRAGONがおすすめです。
Rakuten DRAGONは、ライブ配信による双方向のコミュニケーションが可能で、商品やサービスの魅力をリアルタイムに届けられます。また、セミナーやカンファレンス、オンラインイベントとの併用により、ターゲットとする層との距離を縮め、ライブコマースへの流入を図れます。
Rakuten DRAGONは、配信サポートサービスやアーカイブ機能がある点も特徴です。配信サポートサービスでは台本の作成や配信環境の整備などのサポートが受けられます。実施した配信はアーカイブとして残せるので、視聴者は好きな時間に配信を視聴できます。
そのほか、Rakuten DRAGONはライブコマース機能のほかに、データ分析機能を備えています。配信時の視聴者の行動データを分析し、見えてくる改善点をマーケティングや商品開発に生かせば、次回以降の配信の質向上や売上貢献に繋がるでしょう。
この機会に、ぜひRakuten DRAGONの利用をご検討ください。
まとめ
中国では、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、ライブコマース市場が急速に拡大しています。ライブコマースは人気のインフルエンサーであるKOLを中心に、安価な商品を購入できるとあって注目を集めている販売方法です。
日本ではまだ認知度も低く、利用者もこれからの状況です。ただし、だからこそ先行者利益がまだ見込める分野ともいえるでしょう。
Rakuten DRAGONは、ライブ配信によって視聴者と交流しつつ、配信の画面上から商品を購入できるライブコマースのプラットフォームです。これからライブコマースを始める方はRakuten DRAGONの利用を検討してみてはいかがでしょうか。