ライブコマース
2023年02月01日
動画コマースとは?メリットやデメリット、商品別の活用シーンを紹介
動画コマース
動画コマースとは、商品の紹介に動画を取り入れた新しいEコマースの手法です。消費者はスマホやタブレットなどで動画を見ながら商品を選べる利点があります。
テキストや画像での商品紹介と比べ、動画では動きや多角的な視点からの映像など、より多くの情報を消費者に伝えられます。そのため、商品の魅力を具体的に紹介でき、コンバージョンに繋がりやすい手法です。
この記事では、動画コマースの仕組みや従来のEコマースとの違い、メリットやデメリットを解説します。どのようなシーンで動画コマースが利用されているのかも、商品別に紹介します。
動画コマースとは
動画コマースとは、動画コンテンツを取り入れた新たなEコマースの手法です。消費者は動画を通して商品のより詳細な情報を得られます。また、ECサイトそのものに動画コンテンツを組み込むことで、消費者がスムーズに商品を購入できる点も特徴です。
動画コマースは、5G通信の登場など高速で大容量な通信環境が整ってきたことを受け、多くの企業で取り入れられてきています。アパレル・ファッションや食品、日用品や家電など、さまざまな商品の販売に活用されています。
従来のEコマースやライブコマースとの違い
Eコマースとは、インターネット上で行われる商品やサービスの取引の総称です。動画コマースも、Eコマースのひとつの手法と言えます。
従来のEコマースでは、ECサイト上でのテキストや画像による紹介が一般的でした。テキストや画像での紹介は商品のスペックや外観などは知ることはできても、実際の商品の質感やサイズ感など、より詳細なところまでは把握できません。
一方、動画コマースなら、動画で実際に商品を使用しているところを視聴できます。
たとえばアパレル用品なら、モデルとなる人が商品を着用している様子、動き、サイズ感を見ることができ、商品のより具体的な情報を得られます。この点が従来のEコマースとの大きな違いです。
なお、ライブコマースはライブ配信で商品を紹介しながら販売していく手法のことです。リアルタイムで配信されるか、録画であるかの違いはありますが、どちらも動画を使った手法である点では共通しています。そのため、ライブコマースは動画コマースの1つのジャンルとも言えるでしょう。
動画コマースのメリット
動画コマースは、商品をよりリアルなイメージとともに紹介できます。ここでは4つの視点から、マーケティングに動画コマースを取り入れるメリットを説明します。
1.商品の魅力が伝わりやすい
動画は、テキストや画像では伝えにくい、動きやサイズ感・距離感、手順やプロセス、力加減などの情報を伝えられる点が特徴です。たとえば下記のような動画を作成すると、商品の魅力をより豊かに表現できます。
動画の例 | 内容 |
---|---|
商品の使い方の動画 | ・基本的な使い方や消費者が疑問に思いそうな部分をわかりやすく伝える動画 ・消費者は自分でも使えるのかという不安を解消できる |
商品の機能を紹介する動画 | ・実際の利用シーンを紹介して、使用感を伝える動画 ・消費者は商品の利用シーンをより具体的にイメージできる |
商品のベネフィットを紹介する動画 | ・商品を使うとどのようなメリットがあるのかを伝える動画 ・消費者は商品で得られるメリットを事前に確認できる |
動画コマースは、上記のような動画を採用することで商品の魅力を消費者に伝えやすいメリットがあります。消費者は商品をより深く知れるので、商品に対する不安を解消できることも利点です。
2.商品購入に繋がりやすい
動画コマースは、商品購入に繋がりやすい点もメリットでしょう。動画を視聴することで消費者は商品の特徴や具体的な利用シーンや使い方をイメージできます。消費者は購入後に得られるベネフィットを把握しやすくなり、購入意欲の高まりへと繋がるからです。
また、動画は映像と音声で商品を紹介でき、テキストや画像よりも共感を得やすい側面もあります。商品の世界観やストーリーに消費者を引き込み、商品に対する愛着や好感を生みやすい点も動画コマースの特徴です。
3.販売チャネルの選択肢が広がる
動画コマースでは、動画配信プラットフォームを利用した商品販売が可能となります。実店舗での販売やECサイトでの販売に加え、動画配信プラットフォームという新たな販売チャネルの選択肢が加わる点はとても魅力です。
総務省が公表している「令和3年度
情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、インターネットの利用時間は「動画投稿・共有サービスを見る」が全年代で平日43.3分、休日58.1分と各項目のなかで最も長い平均利用時間を示しました。
特に若い世代の「動画投稿・共有サービスを見る」の平均利用時間は長く、10代は平日89.3分で休日129.9分、20代は平日83.2分で休日110.1分となっています。
動画コマースは若い世代を中心とした動画コンテンツに慣れ親しんだ層へもリーチしやすい販売手法と言えます。
4.コンテンツとして拡散されやすい
動画コマースで作成した動画は、それ自体がコンテンツとして拡散されやすい点もメリットです。近年では気になったコンテンツをSNSなどで簡単にシェアできるようになり、消費者による自然発生的な情報のシェアもマーケティングの重要な手法となっています。
たとえば、思わず誰かに知らせたくなるような質の高い動画を発信できれば、SNSなどで動画が拡散される可能性もあります。多くのSNSなどで拡散されると、商品の情報をより多くの消費者に伝えられるメリットがあります。
動画コマースのデメリット
動画コマースには先述のようにさまざまなメリットがありますが、いくつかのデメリット、注意したい点があることも事実です。ここでは、動画コマースを行うデメリット、事前に知っておきたい注意点を紹介します。
1.動画制作にスキルや機材が必要となる
動画を制作する場合は、動画制作のためのスキルや知識、撮影機材などが必要となります。たとえば、商品を魅力的に紹介するための撮影の仕方、紹介する台本、カメラやマイクなどです。動画制作の経験のない事業者の方の場合、コンテンツ制作自体が負担となることもあります。
そのため、はじめて動画を制作する方には動画制作のサポートのあるプラットフォームがおすすめです。
たとえば、Rakuten
DRAGONなら、台本作成や現場のディレクションなど動画制作をサポートする「配信サポートサービス」を利用できます。初心者の方でも動画コマースを始めやすいプラットフォームです。
2.効果測定で検討すべき指標が増える
動画コマースではコンテンツに動画を採用するので、一般的なECサイトでの効果測定とは異なる点があることには注意が必要です。
一般的なECサイトならアクセス数やサイトへの流入経路、コンバージョン数などを元に効果測定を行いますが、動画コマースの場合は動画の再生完了数や再生時間、指定秒数以上の再生回数など検討すべき指標が増えます。
Eコマースを実施する場合、定期的な効果測定を行って改善点を見つける作業は大切な工程です。動画コマースでは、一般的なECサイトと比較すると効果測定が少し煩雑になる点は覚えておきましょう。
商品別の動画コマース活用シーン
動画コマースがどのようなシーンで利用されるのか、商品別に具体例とともに紹介します。実際に動画コマースする際の参考に活用してください。
動画コマースの活用シーン①:ファッション・アパレル商品
ファッション・アパレル商品は、テキストや画像だけでは素材の質感や着心地を伝えるのが難しい面もあり、動画コマースが選択されることの多い商品です。
あるファッションブランドでは、自社サイトのホーム画面全面に動画をカタログのように配置する動画コマースを実施しています。各動画を選択するとポップアップが表示され、商品の画像や紹介文とともに動画が流れる仕組みです。
動画内では実際に商品を着用した方をさまざまな角度から動きとともに撮影し、着心地やフォルム、ボタンやバックルなどの商品細部を動画で伝える工夫が施されています。
服選びでは着心地やサイズ感は重要なポイントですが、そのような消費者のニーズに丁寧に対応した動画コマースの例と言えるでしょう。
動画コマースの活用シーン②:食品
食品の場合は実際に食品を調理している様子を撮影し、食品のおいしさを伝える動画コマースなどがあります。レシピ動画サイトと連携し、気になったレシピの食材をすぐにECサイトで購入できるシステムを構築しているところもあり、その手法は多様です。
また、日々の食事に使う食品ならではの特徴として、商品への安全性が求められる点があります。そのため、生産者が顔出しした動画を発信することで、消費者の商品に対する不安を軽減する施策を実施している場合もあります。
動画コマースの活用シーン③:インテリア
インテリアの場合は、日々の生活で使用される商品が多くなります。したがって、実際に商品を使用した動画やどのようなメリットが得られるのか説明した動画などが多い傾向です。
たとえば、家具や収納ケースなどでは、ご家庭と同じようなスタジオに実際に商品をレイアウトした動画を作成し、リアルな利用シーンを紹介する動画コマースがあります。
消費者が実際に使った場合の具体的なシーンを見せることで、購入後のイメージが湧きやすいように工夫しているかたちです。
そのほか、インテリアの場合は椅子とテーブル、収納ケースとそれを配置するラックというように、消費者は複数の商品を同時に購入することも想定されます。動画コマースでは動画内で複数の商品を一緒に紹介できる点もメリットです。
動画コマースの活用シーン④:家電
家電で動画コマースを行う場合は、商品の機能や使用感を動画で伝えられる点が魅力です。
たとえば、従来の掃除機と新商品の掃除機の吸引力を比較する動画を作成すると、新商品の機能面での優秀さをわかりやすく伝えられます。実際に使った方のレビュー動画などもあわせて紹介すれば、消費者は使用した方の生の声も参考にできるでしょう。
また、従来の家電と異なる仕組みの商品の場合、消費者の方は「どうやって使うのだろう」と疑問に思うことも予想されます。このときに使い方を紹介する動画があると、消費者は使い方の不安が解消されるので、よりコンバージョンに繋がる可能性が高まります。
動画コマースの活用シーン⑤:日用品
動画コマースは、洗剤やシャンプーなどの日用品の販売にも活用されています。使い方を説明するHow
to動画や商品の機能性を紹介する動画など、動画であれば消費者により多くの情報を伝えられるからです。
また、TikTokといった動画プラットフォームを活用し、商品の認知度を向上した事例もあります。
動画コンテンツの利用は比較的若い年代の層だけでなく、子育て世代の主婦層など幅広い年齢層に広がっています。動画コマースの導入により、より多くのターゲットにリーチできる可能性がある点は大きなメリットです。
動画コマースならRakuten DRAGON
ここまで動画コマースの意味やメリット、デメリットなどを紹介してきました。もし、これから動画コマースを始めてみたいと思ったら、Rakuten DRAGONの利用をご検討ください。
Rakuten
DRAGONはライブ配信を活用した動画コマースが可能で、配信終了後にはアーカイブ(録画動画)を残せるため、動画コマースのコンテンツとして活用できます。
また、Rakuten
DRAGONは「配信サポートサービス」が利用可能です。動画を撮影する時の台本の作成の仕方、撮影現場でのディレクションの方法などのサポートが受けられます。動画制作に慣れていない事業者の方でも、動画コマースを始めやすい点はメリットです。
そのほか、データ分析機能が充実しており、効果測定にも役立ちます。動画コマースがはじめての方におすすめしたいプラットフォームです。
まとめ
動画コマースとは、商品紹介に動画を活用した新しいEコマースの手法です。従来のECサイトと異なり、動画を用いて商品のより詳細な情報を伝えられ、商品の売上向上につなげられると期待されています。
動画はテキストや画像の何倍もの情報量を短い時間で提供できるので、商品の魅力をより伝えられることがメリットです。ただし、動画制作にはスキルやノウハウ、撮影機材などが必要な点には注意しましょう。
動画コマースはファッション・アパレル商品、食品やインテリア、家電や日用品など、さまざまな商品のPRに活用されています。自社商品のマーケティングに動画コマースを導入し、売上の向上に役立ててください。